大腸外科からのご案内:新たな取り組みと研究活動のご紹介 No.2

2025年8月28日発信
東京女子医科大学 大腸外科 番場


1.第56回 東京ストーマリハビリテーション研究会(2025年9月6日開催)

当科 小川真平准教授 が世話人を務めます学術集会が、有明で開催されます。

ストーマ保有者の生活の質(QOL)向上を目指し、医療スタッフが学び合う研究会です。

    詳細はこちら: https://tsr56.jp


    2. リキッドバイオプシーの最新情報

    リキッドバイオプシーは、血液などの体液からがんの遺伝子情報を調べる低侵襲の次世代診断・モニタリング技術 です。

    特に大腸がんにおいては、術後再発や微小残存病変(MRD)の検出 が期待されています。

    当院も参画する CIRCULATE–Japan は、結腸・直腸がん術後患者 2,240 を対象とした大規模研究です。

    • 術後2–12週の ctDNA陽性患者は陰性患者に比べ再発リスクが約12倍
    • 2年無再発率:ctDNA陽性 20.6 vs 陰性 85.1

    → この知見は Nature Medicine に発表され、個別化医療の実現に向けた重要な一歩となっています。
    参考文献:ctDNA-based molecular residual disease and survival in resectable colorectal cancer. Nat Med 30, 3272–3283 (2024)


    3. 大腸癌研究会(20257月)研究発表

    当科より 『超高齢者大腸癌における周術期管理戦略』 を発表しました。

    • 85歳以上の超高齢者を対象にした研究
    • 87%の患者が退院前とほぼ同様の生活を維持し、自宅退院が可能 であったことを報告しました。

    → 超高齢社会における手術適応と周術期管理のあり方を考える上で、大きな示唆を与える研究です。