AIチャットボット
(手術前のインフォームドコンセント)
【目的】
大腸癌の手術前の患者説明にAIを利用するため、生成AIを用いた音声によるチャットボットを作成し、手術説明とQ&A対応をする(インフォームドコンセント)システム開発を行う。大腸癌の手術内容を音声で説明を聞き、その後に手術に関するQ&Aを音声にて応答するというものであり、患者と家族が利用することで手術の理解を深め、医師の補助ツールとして利用することを目指している。
【方法】
Open AI社のGPT builderを用いて、チャットボット“大腸癌インフォームドIC”を作成した(図1)。Knowledgeの中には、大腸癌取り扱い規約、大腸癌治療ガイドライン(医師用)、大腸癌治療ガイドライン(患者用)を入力設定し、その範囲内で返答するように設定した。Webから検索する機能は設定しなかった。もしKnowledgeの中に無い内容を聞かれた際にはこれには返答できないとするように設定した。実際に手術インフォームドコンセント(図2)の想定して質問(大腸癌診断、手術治療、化学療法、手術以外の治療について)を行い、返答内容を検証した。Chat GPTの機能を用いて、音声入力と音声返答とした。
【結果】
Knowledge内の内容を正確に丁寧に返答した。返答には大腸癌取り扱い規約と治療ガイドラインのみからの知識内で返答するため、会話内で間違いは認められなかった。チャットボットは何度も同じ内容でも返答可能であり、多忙な医師とは違い、大きなメリットと考えられた。また患者からの全ての問いに丁寧に説明することから、共感性が高いと考えられた。今後は、実際に大腸癌手術前の患者に利用することを想定し、チューニングし適正な返答となるように調整する予定である。